ブログ
- 2012.08.04
- ひとりごと
第49話 予算と目標

経理の特命レスキュー隊初代隊長の冨松です。
私のロンドンオリンピック注目は、女子48kg級の福見 友子選手でした。
世界で唯一、谷亮子に2度勝った選手。
しかし残念ながらメダルを手にすることはできなかった。
そこで、今回の五輪柔道を経営の視点で考えた。
そもそも20名から30名の各国の代表が競い、一日に4試合から5試合するのである。
当然、怪我をする可能性もあるし、攻めきれないこともある。
そして当人達は、金メダルを”目標”にしている。
にも関わらず、あたかも金メダルをとって当たり前のような関係にしてしまってよいのか?
これでは自国による選手へのプレッシャーであり、まるで大きなノルマを課された営業マンのような感覚に陥らせてしまう。中村美里選手の対戦にしても前回大会でも負けた相手との初戦だったのに、あたかも大番狂わせの報道だった。
まるで”予算”だ。
仕事柄、予算を決める機会に遭遇する。
ここで気をつけなければならないのは、予算とはあらかじめ見積もれる数字であって、目標とは全然違う。
メディアは、たった一人しか金メダルが出ないオリンピックにおいて、金メダルを予算としてしまった。失敗だ。
目標であれば銀メダルでも、未達成の徒労感に襲われないし、硬くならない。
目標は達成したら喜べるが、予算達成は、して当たり前なのである。
して当たり前の感覚をつくり上げたことこそが、柔道の金メダルが一個となってしまった原因だろう。
「応援してくれた皆さまに申し訳ない」なんて言わず、「私の持てる力は出し切りました。これがオリンピックです。」福見さんの試合後の言葉がよかった。
再び試合を見に行きたいものだ。